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2007年1月12日 (金)

新監督就任

Rangers再建の命を受けて、今季から期待の若手フランス人監督Paul Le Guen(PLG)が指揮を執っていたが、期待された結果を出せずにRangers史上最短の7ヶ月で退任という結果に終わった。最大の問題はスコットランドサッカーに最後まで適応することが出来なかったことだろう。ただ、UEFA CUPでは良い結果を出しているだけにPLGの監督としての才能に疑いはないはずである。今後の彼のキャリアを期待する。

そして、1/10に、史上まれに見る低迷状態に陥っているRangersの再建請負人として、Rangersの伝説Walter Smishが就任した。同時に、往年の名プレイヤーAlly McCoistとKenny McDowallの入閣も決まった。

Walter Smishは1948年グラスゴー生まれの58歳。Dundee Utd.でキャリアをスタートした。選手としての目覚ましい記録はないものの、Dundee Utd.に初のリーグタイトルをもたらした後、1997年にRangersで史上タイのリーグ9連覇を成し遂げている。その後、Everton、Manchester Utd.(Alex Fersusonのアシスタント)を経て、2004年にスコットランド代表監督に就任。2008年欧州選手権の出場権をかけた予選グループでフランスを破る金星を上げ、監督としての評価は非常に高い。

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070111scotsman 今回のWalter Smish新監督の誕生は、代表監督の任期を18ヶ月残しての代表退任となり、大きな議論を巻き起こしている。

Rangersからすると、現在リーグ2位に付けているものの首位Celticとの差は既に挽回不能な17ポイント、そして数字以上にクラブ創設以来といってよい程、Rangersのチーム状態は悪い。そのような中でチーム再建にはなりふり構っていられない状況にあり、強いカリスマの存在が必要だった。Walter Smishはチームのとっての「伝説」であり、今のRangersには彼以外の適任者はいない。

一方のSFA(Scottish Football Association)にとっては、現在のスコットランド代表は選手が揃いつつあり、しかも欧州選手権予選が今年イタリア・フランスとの対戦を控え佳境を迎える中で、代表の強化とかかる期待が大きいだけに、代表監督の引き抜きは信じがたい暴挙である。現在、SFAはRangersの行為とWalter Smishの契約違反に対して法的措置を検討していると伝えられている。

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これは、ジェフ千葉のオシム前監督が代表に引き抜かれたのとちょうど逆のかたちである。千葉は当初JFAのやり方に強い不快感を示していたが、最終的には日本代表のためとして折れた。オシムを千葉につなぎ止めておくだけのインセンティブが少なくなっていたという現実的な事情もあるだろうが、基本的には協会の引き抜きである。

一方、今回のスコットランドのケースは、SFAからすると許し難い行為と映るだろうが、Rangersとしては強化の一環として当然の行為をしただけあり、また今回のような人事を実行できるだけの財政力・魅力がクラブ側にある。Rangersファン以外のすべてのファンを敵に回したのは事実だけど。

Scotsよく欧州では「クラブ>代表」と言われているが、スコットランド代表の人気は決して低くない。代表の試合を見に行けば、そこには日本代表サポの軽い雰囲気とは比べものにならない強いサポートがある。しかしながら、プロフットボール選手の本業の場であるフットボールクラブの発言力は間違いなく強い。

翻って、オシムのケースのようにクラブが協会の行為に対して泣き寝入りするしかない状況は、世論・メディアにおける日本のサッカークラブ、強いてはプロサッカーの地位の低さを表してはいないか。

スコットランドのようにクラブが強さを追求するのは当たり前、代表監督だって引き抜く、そのプロセスはクラブと協会が対等な関係で交渉する(交渉の結果、賠償問題になるかもしれないが)、というのが健全な関係である。結局、日本のプロサッカーは未だ黎明期ということだろう。

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現在の浦和は協会に対しての発言力・交渉力を持つだけのクラブにまで成長したが、日本のプロサッカーの発展のためには浦和に続くクラブがたくさん表れなくてはいけない。まあ、千葉のケースに関して言えば、オシムが代表監督になったおかげで浦和の選手が大量に代表に招集され、その結果チームのレベルアップにつながっているから、浦和としてはありがたいんだけどね。

 

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コメント

Rangersのケースは、日本のオシムの代表監督のケースと対照的で興味深いですね。欧州の場合は代表チームとクラブの歴史自体も良い勝負で名門クラブの社会的なステイタスは非常に高い。日本の場合はW杯は3回とはいえ代表の歴史は何十年とある一方でJクラブの歴史はまだ10数年、報酬もそうですが、ステイタスにはまだ大きな差がありますね。

P.S.昨日お土産到着しました。とてもデザインが良くて気に入りました。本当にありがとうございました。

投稿: Tiangang | 2007年1月14日 (日) 00時00分

日本の協会は残念ながら代表の試合での金稼ぎしか考えていないからなぁ。キャプテンとやらの年頭の挨拶でもそれが浮き彫りで本当にがっかりです。
 代表に重きを置けないのはミーハーファンばかりだから、だけではなく、そんな協会体質が全てクラブにお見通しだからですよねぇ。千葉はマスコミに迎合しないで、ほんと、オシムをクラブに戻すくらいの事してほしいです。
 Gersさんのブログ、Urawa-reds アンテナ入りですね。すごいな。

投稿: m'mizoo | 2007年1月16日 (火) 22時35分

>Tiangangさん

無事届いたようでよかったです。今度グラスゴーに行ったら、赤Tシャツは買い占めようと思っています。

投稿: gers | 2007年1月18日 (木) 03時21分

>m'mizooさん

まあ、それが千葉って感じですかね。阿部も獲られちゃうし。

Urawa-redsアンテナ検索してみたら、確かにありましたね。どういう基準で入るのかな。それにしても浦和関係のブログ・HPの多いこと。世界一じゃないかな?

ところで「フーリガン」見ました?

投稿: gers | 2007年1月18日 (木) 03時28分

「フーリガン」、早速アマゾンで買って見ましたよ。情報どうもです。時代錯誤的な所もありますが、UPTON Parkに行きたくなりますね。ネタにもいいですね。ちょっとネタに使わせてもらいますわ。

投稿: m'mizoo | 2007年1月18日 (木) 21時43分

まあ確かにMillwallとの対戦は夢だけれど、そこまで任侠っ気だしたヤツがいるんかいって感じですね。実は先日U18チームで対戦があって、結果は2-2ドロー。トップチームで見てみたいものですな。

投稿: gers | 2007年1月23日 (火) 01時40分

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